今回は、車です。
走らなくなったとの事で原因を追究したいと思います。。
ガラガラという異常な音とともに止まったとの事ですので・・・・
レッカーにてランポートに入院。
車はホンダSMX 新車で購入後ワンオーナー 走行25万キロ エンジンオイルはマメに交換している タイミングベルトは10万キロごとに交換している 車検は半年前にしている 外観は程度が良い オーナーはSMXを大変気に入っていて可能な限り整備して長く乗りたい という状態です。
とりあえずセルを回してみると、ブスブスいって始動しません。ここは無理に回さず原因追求していきます。
走行距離が多いのでエンジンが終わったとも言えますが、車検を半年前に受けたばかりなので廃車にするのは惜しいところです。
ディーラーなら間違いなく買い替えを勧められると思いますが、何とか安く直るのであれば直してあげたいと思ってしまうのがランポートの特徴です。
まず一番最初に点検するのはプラグからですが、プラグが固着していて外れません。
これは走行距離が多い車にありがちで、プラグネジ穴にカーボンが詰まって固着している状態です。
無理に外そうとするとプラグの頭だけ折れてしまい、プラグのネジ部分がヘッドに残ってしまいます。
そうなった場合、ヘッドを降ろしてプラグネジ穴を修理しなければいけません。
工賃が高くなるので、ヘッド降ろしは避けたいところです。
ひとまずプラグを外すのはあきらめるとして、次に考えられる事は、タイミングベルトの歯飛びです。
ひとつの予測としては、ピストンとバルブが当たって異音がしている、
もしくはバルブが曲がっているという事が考えられます。
コンプレッションゲージでの診断は今回プラグが外れないのでできません。
バルブタイミングを点検するしかありません。
とりあえずヘッドカバーを降ろしましょ♪
ジャ~ン
カムとご対面
走行距離の割にはキレイです。オイル交換をしていない、又は安いオイルを入れている場合、真っ黒なスラッジがここに溜まります。オイル交換をマメにしているので状態は良いですね。
ちなみに、安いオイルでも速めに交換したらいいのだ、という人がいますが、間違いです。
安いオイルは添加剤に洗浄成分が入っていないので、スラッジと呼ばれるオイルがヘドロ状態になった物がエンジン内部に溜まります。
適度に良いオイルを5000キロごとに交換するのが、正しいオイル管理です。
この車のオーナーも正しく忘れずにオイル交換をしていたので、25万キロ走っていてもこんなにキレイなエンジン内部ですね。
バルブタイミングを点検。問題ありません。
念のためバルブクリアランスを全部確認してみます。
これも問題ありません。♪
もしここでバルブクリアランスが大きい場合はバルブ曲がりが考えられます。
その場合はバルブ交換のためにヘッドを降ろす事になり、修理代が高くなります。
今回は、タイミングベルトの歯飛びも無く、バルブの曲がりは無いと判断できます。ヘッドを降ろす必要はありません。
ヨカッタヨカッタ。
次に考えられるのは電気系統ですが、点検するにはプラグを外さなければいけません。
無理に外すとプラグが折れるので、何とかうまい方法が無いかを考えます。
で、思いついた作戦は プラグネジ穴カーボンを溶かしてしまおう作戦です。
SMXのエンジンはツインカムでセンタープラグです。
プラグはプラグホールという長い穴の奥にプラグがあります。
プラグホールは水などが入った場合抜ける構造ではなく溜まるようになっています。
プラグキャップのゴムがプラグホールの上部で水などが入らないように、フタをするような設計にしてあります。
通常プラグは強く締める物ではありません。
プラグに金属のガスケットが付いていますが、意外かもしれませんが完全にシールしているとは思えません。
そこでプラグホールにカーボンを溶かす液体を入れると、プラグガスケットの隙間からネジ部に液体が浸透するのではないか、という作戦です。
カーボンを溶かす液体で良い物があります。
ワコーズのエンジンコンディショナー、スプレー缶です。
これはスプレーすると泡状の液体が出て、カーボンを溶かします。
ワコーズのキャブクリーナーとエンジンコンディショナーをプラグホールにたっぷり入れて1時間放置してみます。
キャブクリーナーはシャブシャブの浸透性の高い液体ですので、エンジンコンディショナーも一緒に浸透するのではないか、という予想です。<br>
この方法でうまくいけばラッキーです。
一時間後プラグをゆるめてみます。
力加減が大事でプラグを折ってはいけません。慎重にこきざみに緩める方向、締める方向とゆするようにプラグレンチを使います。
固いのですが手に伝わる感触が緩むような気がします。
無理をせずにプラグ4本試してみます。
すると一本だけキュッと緩む方向に少しだけ回転しました。
狙い通りうまくいきそうです。
キャブクリーナーとエンジンコンディショナーをもう一度入れ、1時間放置します。
1時間後もう一度プラグを回してみます。
全部のプラグが少しだけ動きます。
慎重に緩めたり締めたりしながら液体を浸透させます。
何とが外れたプラグがこれ。
純正装着のイリジウムプラグ・・・プラグギャップも素敵なぐらい開いております・・・・
とても火花が飛びそうにないくらい電極が磨耗しています。
エンジン不調の原因はプラグが犯人だと断定です。
新品と比べると全然ちがいますね~
プラグネジ穴をタップで修正し、
プラグをイリジウムではない通常のプラグと交換します。
イリジウムプラグ 悪くはないのですが実は信頼性に欠けます。
バイクの場合、調子の悪いエンジンには必ずイリジウムが付いています。
これ本当です。バイク屋さんではイリジウムは駄目だという常識があります。
祝・エンジンがかかりました♪ 最初はエンジンコンディショナーがシリンダー内部に入っているのでブスブスしていますが、調子よくなりました。
一応エンジンクリーナーでエンジンの中も洗浄しておきましょう♪
ガラガラっと音とともに止まったとの事ですが・・・・
原因はベルトでした
たぶん、走行中に石か何かで切れてしまったのでしょう。。
なんか細くなってササクレちゃってます。。。
奥の方のベルトだったので全部交換しちゃいます
ハイ!!全部交換しました♪以外にこの車やりやすいですね
なんかベルトを張る用の変な穴まで付いていると言う親切設計
ここに12.7mmのスピンナハンドルを使えば簡単にベルトを張れる設計です。
ホンダの優秀な設計者さんありがとう♪
外した部品全部取り付けて完成です。。。。